理論社

2020.05.01更新

自分の道を見つけたい! 第1回

価値感を変えてくれる仲間に出会う
人間は、なにかが出来るから、凄いから魅力的なんじゃない

大堀貴士さん(シュート) 大堀貴士さん
(シュート)
高校までは、「とにかくカッコイイ大人になるぞ」というんで、将来はめっちゃ金稼いだろうって思ってたんよ。ビシッとスーツ着てさ、高級なスポーツカー乗って、女の子にモテてさ、そういう典型的な成功者を目指しとったなあ。
だから学力を上げることも頑張ったよ。ええ大学行って、ええ会社に就職しようと思ってたから。親にも期待されてたし、とにかく「金に困りたくない、金儲けしたい」という思いがめっちゃ強かった。カッコいい男になるには、金が必要やと思ってたから。

それが大学生になって、まず一度目の転機を迎えるんよね。
大学でも子どもたちとキャンプするキャンプカウンセラー活動のサークルに所属したんやけど、オレは高校でもキャンプ活動やり込んでたからさ、「鳴り物入りの凄い優秀な奴が来たぞ」てなつもりで、調子にのってたんよ。
キャンプって、実はやるべきタスクも多くて、危機管理も重要やし、「仕事の早い有能な奴」というのが、オレの中でのカッコよさの条件やった。
そんな時に、ジャンとしろうという、二人の先輩に出会った。
この二人が、めっちゃ仕事できへん人間なんよ。それやのに、なんか先輩達にめっちゃ可愛がられてるし、二人の周りには常に人がいる感じやった。
で、自称「デキる男」なオレは、全然仕事できへんのになぜか人気をかっさらってく二人のことを、「なんでやねん」と思って気にくわんかったんよね。

「キャンプカウンセラー」というのは、ボーイスカウトをイメージすると分かりやすいでしょうか。自分より小さな子たちを引率してキャンプを行う際に、リーダーやサポーター的な役割を果たすお兄さんお姉さん、という感じです。

子どもたちの安全を確保しながら、食事の用意や遊びのサポートに気を配り、キャンプファイヤーでは芸を披露したり、大勢で遊べるゲームを覚えて楽しませる役割などもします。

キャンプは海、山、川とさまざまな野外スポットで行われるので、専門的な修練も必要です。
例えば様々なロープの結び方(ロープワーク)を覚えたり、薪の割り方や、火のつきやすい枝を見分けて集める方法、山、海、川の特徴ごとの危険や救急法を学ぶなど、アウトドアの達人としての知識技能を磨く必要があります。

大堀さんの述べる「優秀なやつ」とは、肉体のタフさに加え、知識や技術も持ち、エンターテナーとして人も楽しませられる人物、といったところでしょうか。

大堀貴士さん(シュート) 大堀貴士さん
(シュート)
ところが、気にくわないと思ってたのに、いざ二人と一緒のチームになってやってみるとさ、めっちゃおもろかった。
なんでかというと、ジャン・しろうの二人は仕事ができへんから、しょっちゅう大ピンチに陥るのよ。でも、そのピンチの状態をまわりの人に思い切ってさらけ出すことで、すんごいウケて笑いが生まれるねんな。
状況的には、例えばキャンプファイヤーの薪が集められないとか、スタッフとして犯したらあかん失敗をやらかしてる状態なんやけど、でもそのダメな部分がみんなに笑いを提供する。
そうやって二人は、ピンチをいっつもチャンス(笑い)に変えていく。だんだん「あれ? この人たち、もしかしたら凄いんじゃないかな」と思うようになった。

ジャンとしろうの姿を見て、はじめて「そうか、人間っていうのは、なにかが出来るから凄いんじゃないんだな」ということが分かったんよ。
できなくても、できても、失敗ばっかりやる奴でも、そこになにかしらの人間的な魅力が宿ってると、人が集まってくるし、人を喜ばせられるもんなんやなと。
「できない自分」を否定するんじゃなく、逆にオープンにすることで、よっしゃ助けたろうっていう人たちが、笑顔で寄ってきてくれるんやなって。そういうことを体験的に理解したときに、オレの中で「カッコイイ」の定義がガラッと変わった。
そういうことを体験的に理解したときに、オレの中で「カッコイイ」の定義がガラッと変わった。
そっからは、「ジャン・しろ・シュート」と言われるようになるくらい、オレも二人のようにスカしたカッコよさを取っ払って活動するようになっていくねんけど。
この時期は、仲間と熱く語りあったり、活動が楽しすぎて遊びまくったせいで、大学を2年も留年してもうた(笑)
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