理論社

第16回

2020.12.15更新

自分の道を見つけたい! 第16回 G1さん篇4

100%自学自習の世界で学んできたから
他のやつには負けないぞ、という自信があった

さて、北海道の農業高校に通うようになったG1さんですが、この高校生活と馬術部への入部に際して、ハーモニィカレッジでの3年間の生活がとても役に立ったとのこと。
「3年間中学校に行ってないG1さんとしては、久しぶりに学校生活の中に飛び込むことになるわけですが、不安はなかったんですか?」とたずねました。

G1さん G1さん
ああ、その不安はぜんぜんなかったですね。そもそも馬術部目的で受験したし、3年間ハーモニィで馬ばっかり乗ってたから、「馬では負けんぞ」と、へんに自信があったんですよ。実際、ハーモニィで過ごした3年間で、すごく自信が育ってたんだと思います。

なぜかというと、ヒロさんもシュートも、馬術に対して高い技術があるわけではない、というのもあるんですが、「本人が自分で体験して、分からないところを聞いてこない限り、なにも言わない」というのが基本姿勢の人たちだったんです。
この態度は、今も自分が後輩スタッフを教えるときにも指針になってますね。本人が自分で考えて、自分で気づいて「どうしたらいいですか?」と聞いてくるくらいじゃないと、口でいくら説明しようが伝わらないですから。

ハーモニィにいた当時、そういう、子どもを子ども扱いせずに信頼して放置してくれるという環境があったから、100%自学自習の世界ですごせて、子どもなりにめちゃくちゃ考えていたわけです。

ハーモニィカレッジは、馬術的な技術という面から見れば、やってることのレベルはプロの乗馬クラブほどではないと思うんですよ。でも、難しい気性の馬をどうやって乗りこなすか、自己流で、めっちゃ考えて、研究しながら乗ってました。

で、高校馬術の試合って、その場でどういう馬に当たるか分からないんですよね。いい馬ばっかり乗れるわけじゃない。クセの強い「こいつヤバイな」っていう馬に当たることもあるんです。
馬術部に入部するような人は、当然、ちゃんとした馬術クラブなんかで訓練してきてることが多くて、そういう部員は、綺麗に乗れるとか、技術力については一日の長があるんですよ。
ところが、ふだんよく手なづけられた馬ばかり乗ってきてるから、ちょっと難しい気性の馬に当たったら、とたんに乗れなくなるんです。
その点、僕はハーモニィでクセの強い馬たちに毎日乗ってたから、テクニックでは他の奴に負けても、「こいつはヤバイぞ」という馬が来たときに強いわけです。
それで、1年生のときからレギュラーとして使ってもらうことができたんです。
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