理論社

第15回

2020.12.01更新

自分の道を見つけたい! 第15回 G1さん篇3

私はつい「馬は人間に思いやりのある優しく賢い動物」という空想を抱きがちなのですが、実際には賢い分だけ、巧妙に人間をバカにしてくれる面もあるようです(笑)

私がモンゴルの草原で馬に乗ったとき、最初に乗った馬は気性がめちゃくちゃ穏やかなのが伝わってきたのですが、のんびり歩きすぎで、さらに草を食べて平然と休憩もするので、ドンジリになって群れからどんどん離されてしまいました。
携帯の電波も届かない、見渡す限り三百六十度草と空しかない異国の広大な草原で、ひとりぼっちで会ったばかりの馬と取り残されてしまい、顔面蒼白になったものでした。
その馬は、上に乗ってるのが私なので、なめていてのんびりサボッているのだと、後で教えられました。

そして、次に乗った馬は、足は速いものの気性の荒い馬で、びょんびょん跳ねて暴れられました。「おまえみたいなヘタクソ乗せてられるか〜!」と怒っているのがビンビン伝わってきました(笑)

ハーモニィカレッジの馬たちも、二十年前の若馬時代はかなりヤンチャだったようです。そんな多様な個性のある馬たちを「どんなふうに乗りこなしてやるか」ということばかり考えて過ごしたG1さんの思春期時代。もしも中学校に通っていたら、こんな一点突破的な生き方はできていなかったでしょうね。
やはり、「なるべくしてなった不登校」という感じがします。

G1さんの「100%自学自習の世界」の体験は、高校の馬術部でも、そして、大人になって競走馬育成騎乗者として働く今でも、とても生きているとのことです。
そしてG1さんはこの後、不登校時代に北海道まで自転車旅行をすることになり、そのときに訪れた高校に「ここに行く!」と決めることになります。
しかも、その自転車旅行には、テレビの取材が着いてくることになったとか。
次回は、そのあたりのことを聞いていきたいと思います。

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